世論調査と乱数

先月も今月も弊社に世論調査の電話がかかってきました。先月はコロナ対策について、今月は東京都議会選挙についてでした。おそらく池袋の臨床アカデミーにかけてきたものが本部へ転送されたかと思います。昔は電話帳から無作為抽出をしていましたが、現在ではランダム・デジット・ダイヤリング方式が採用されています。これは完全無作為ではなく2段階抽出方式です。1段階目は恣意的に住居地域を指定あるいは特定して、番号の下4桁に乱数を使用しているらしいです。乱数の実用モデルとしてはワンタイムパスワードがあります。弊社では事務職員は給料等の振込にはパソコンを利用していますが、1件毎の振込時に使用するパスワードはミニ電卓のようなパスワード生成器を使います。そもそも乱数とは何か?それは不規則な数列の事です。でたらめな数字という言い方があるかと思いますが、数字自体はちゃんとしていますので、何も考えずにでたらめに列挙された数字のことを乱数と呼ぶことは可能かと思います。どのようにしてでたらめな数字を作り出すのか?実はでたらめに作ろうと努力した時点でもう恣意的になっています。ではでたらめにするには何をするべきかと言いますと、これは博打をするしかありません。つまり、サイコロを振るか、硬貨を投げ上げるかしかないのです。この博打によって編み出された乱数を【物理乱数】と言います。私は<真正乱数>と呼んでいます。素人の呼び方だから自由です。数学で【微分係数】という用語がありますが、私は<瞬間変化率>と呼んでいました。【平均変化率】に相対する用語として学校の授業中にも紹介しました。先程のワンタイムパスワードのようにコンピューターが発生させるものは【疑似乱数】と呼ばれています。【物理乱数】は実際には博打ではなく、放射性物質のガンマ崩壊や電気回路の熱雑音のような物理現象を利用した乱数が作成されているようです。

-2021年04月20日-